ガチャピンとムックは、2023年4月2日に50周年を迎えました。
50周年では、「過去、いま、未来と繋がる、会いに行く」と題し、ガチャピンとムックが「みんなともだちキャラバン」を実施して、日本全国を回ります。
さて、そんな皆に愛されているガチャピンとムックですが、そもそもなぜ「ガチャピン」と「ムック」という名前なのか、あなたはご存知ですか。
そして、この二人がここまで有名になったのはなぜ?
さらに、よく目にする引退の危機を乗り越えたってどういうこと?
というような疑問を解決するために、ガチャムクの歴史などについてまとめました。
どうやら、ガチャピンとムックにはモデルも存在するようです。
さっそく、二人が出演していたポンキッキシリーズの番組を振り返りながら見ていきましょう!
ガチャピンとムックのモデルは発案者ご本人⁉3つの説がある
ガチャムクのモデルはビートルズという噂があるが…
ガチャピンとムックにはモデルがいるといわれています。
最もポピュラーで都市伝説的な感じで広まっているモデルが、ビートルズのポール・マッカートニーとジョン・レノン。
でも実は、ガチャムクのモデルはビートルズのお二人ではないんです。
ではなぜ、この二人がモデルと噂されているのでしょうか。理由は3つあります。
理由1:ガチャムクとビートルズの写真が似ている
ネット上に転がっている写真の中で、ガチャピンとムック、ポール・マッカートニーとジョン・レノンの写真が比べられているものがあります。
それを見ると、たしかに似ているかも…と思いますよね。
写真が似ていることが、ガチャムクのモデルはビートルズの2人という都市伝説が広がった理由の1つです。
理由2:番組曲にビートルズの曲がよく使われていた
ガチャムクとビートルズのお二人の写真が似ているということに加え、昔のポンキッキシリーズの番組曲には、度々ビートルズの曲が使用されていました。
そのことが、都市伝説に拍車をかける結果となったのです。
ビートルズの曲が多かったのは、関係スタッフにビートルズが好きな人がいたからでしょう。
参考までに、番組に使用されていたビートルズの曲の一例を挙げておきます。
- All You Need Is Love
- Please Please Me
- When I’m Sixty Four
- One After 909
- Baby It’s You
- A Hard Day’s Night
- Please Mister Postman
- Here Comes The Sun
- Lady Madonna
理由3:エンタメ雑誌のダ・ヴィンチに掲載された
2021年1月3日のダ・ヴィンチWebで、ガチャピンの顔とムックの顔にはモデルがいるということを記述しています。
その一部を引用します。
ガチャピンはそもそも何の生き物がモデルになっているのかというと「恐竜」です。
(中略)
また、顔についてもモデルとなった人物がいて、ビートルズのポール・マッカートニーを参考にデザインされたものなんですね。
(中略)
ムックの顔についてもモデルとなった人物がいて、ビートルズのジョン・レノンを参考にしてデザインされました。よく見てみると、確かに髭を蓄えているジョン・レノンに似ているような気がしませんか?
ダ・ヴィンチWeb(https://ddnavi.com/serial/618917/a/)
エンタメ雑誌なので、取材か何かで情報を仕入れて書いたのかな?って思いますよね。
でもこれは、後に公式が否定しているようです。
ガチャピンのモデルはプロデューサーの野田宏一朗か?
後にも記載していますが、SF作家兼プロデューサーの野田宏一朗(のだこういちろう。屋号:野田昌宏、山本圭一)氏は、ポンキッキシリーズの初代「ひらけ!ポンキッキ」を発案したスタッフの一人です。
当時のポンキッキシリーズを担当したスタッフの中には、他にも映画監督の五社英雄(ごしゃえいゆう)氏などがいらっしゃいましたが、なかなかキャラクターが決まらず、苦難の末、野田さんの案が元となりました。
そのため、ガチャピンは発案者である野田宏一朗氏ではないかという説もあるのです。
確かに、写真を見るとガチャピンに似ていますよね。
ただ、この説も本当のことかどうかはわかりません。
仮にガチャピンのモデルが野田さんご本人だとして、「ムックのモデルは?」って疑問に思いますよね。
推測になりますが、野田さんはSF作家で想像力豊かな方でしたので、ガチャムクも野田さんのイメージの中から生まれ、そのためガチャピンもムックもそれぞれどこかしら野田さんに似ている部分があるものと思われます。
ガチャピンとムックのモデルがニール・R・ジョーンズという説もある
ニール・R・ジョーンズ氏は、野田さんと同じくSF作家で、「ジェイムソン教授シリーズ」を執筆されていました。
一部界隈では、ニール・R・ジョーンズがガチャムクのモデルになっているのでは?という声もあります。
ただ、ここで疑問に思うのが、野田さんを始めとした関係スタッフが、わざわざニール・R・ジョーンズ氏をガチャピンのモデルにするかどうかということです。
でも実は、ニール・R・ジョーンズ氏と野田さんは全く関係がないということではありません。
野田さんは、ジェイムソン教授の翻訳を行っており、お二人には接点があったんです。
もしかすると、野田さんはニール・R・ジョーンズ氏を慕っており、それでガチャムクのモデルにしたということも考えられます。
ガチャムクの様々な設定
ガチャムクの名前の由来とプロフィール
「ガチャピン」と「ムック」と言う名前は、今となっては馴染み深いですが、なぜこのような名前がついたのでしょうか。
実はこれ、公式には発表されてはいないんですよね。
でも、二人の自己紹介のときの冒頭のつかみを聞くと、「あぁ、なるほどね」と理解できます。
ガチャピンは自己紹介の時、「ガチャガチャピンピン、ガチャピンでーす」と言い、ムックは「ムクムクのムックですぞぉ」と言います。
つまり、二人とも性格や見た目が名前の由来になっているということですよね。
せっかくですので、ガチャピンとムックのプロフィールも確認しておきましょう。
- 種族
恐竜の子ども(祖先は剣竜類のドラビドサウルスか?) - 誕生日
4月2日(永遠の5歳) - 芸歴
2023年4月2日で50年 - 出身地
南の島 - 特技
スポーツ全般、歌、ダンス - 特徴
陸に海に空にと世界中を舞台にさまざまなスポーツを体験しているチャレンジャー。
よくイモムシと間違えられる。
手についているボツボツはイボではなくエネルギーボールで、ガチャピンが色々な挑戦をするときに勇気を与えてくれる。
- 種族
雪男の子ども - 誕生日
4月2日(永遠の5歳) - 芸歴
2023年4月2日で50年 - 出身地
北極近くの島 - 特技
大食い、楽器演奏、ダンス - 特徴
寒い島で生まれたため暑さに弱く、プロペラを回して体を冷やしている。決してドラ○もんのタケコプターではない。
影日向となってガチャピンを支えている。
ちなみに、ガチャピンとムックの誕生日は、ポンキッキシリーズの最初の番組「ひらけ!ポンキッキ」がスタートした1973年4月2日にちなんで、4月2日となっています。
ガチャピンは動的でムックは静的な性格
二人の特技や特徴を見ると、ガチャピンはエネルギッシュなスポーツ系、ムックはおしとやかな文化系ということがわかります。
二人の生まれが、ガチャピンは南国、ムックは北国なので、そうなるのはなんとなくわかりますよね。
番組のポンキッキシリーズに、「ガチャピンチャレンジシリーズ」という、ガチャピンがボンベをつけて海に潜ったり、スキーに挑戦したりするコーナーがあります。
そしてムックは、失敗しても何度も挑戦しようとするガチャピンを一生懸命応援し、見守ります。
時には、無茶をして怪我をしたガチャピンをムックがおぶって病院まで運んだとかそうでないとか…、そんな噂があったりもします。
ムックって優しいですよね。
ちなみに、雪男であるムックが白色ではなく赤色なのは、怪我したガチャピンを介護したその血で赤く染まったからという説もあったりしますが、これは公式ではありません。
おそらく、ガチャピンが緑色でムックが赤色なのは、カップ麺の「赤いきつねと緑のたぬき」と同じようなことでしょう。
ガチャムクは師弟関係
ガチャピンは色々なチャレンジをし、ムックはそんなガチャピンを影で支えるような関係になっているので、一見すると、ガチャピンとムックは友達だったり、ムックが保護者的な感じに受け取られますよね。
でも初期設定では、ガチャピンが師匠でムックが弟子なんです。
今はこのことはあまり知られていませんが、確かに二人の会話をよく聞いてみると、ムックがガチャピンに敬語で話しているのに対し、ガチャピンは一切敬語を使っていないことがわかります。
二人は仲が良いことは間違いありませんが、実は今でも師弟関係にあるんです。
ガチャムクの歴史と誕生秘話
幼児教育番組としてスタート
今から約50年前、各テレビ局では子ども向け番組の編成に力を入れていました。
もちろんフジテレビも例外ではなく、幼児教育番組というテーマで、子どもたちの情報処理能力を高めるためのカリキュラムとしてスタートさせたのが、ポンキッキシリーズの第1号である「ひらけ!ポンキッキ」だったのです。
そして、その番組のキャラクターとしてガチャピンとムックが誕生したんですが、具体的にどのようなキャラクターにするかは、かなり難航したようです。
ガチャムクは生命誕生のシンボル
当時のポンキッキシリーズを担当したスタッフの中には、映画監督の五社英雄(ごしゃえいゆう)氏やSF作家兼プロデューサーの野田宏一郎(のだこういちろう)氏がいらっしゃいました。
関係スタッフで色々な案を出したがなかなか決まらず、苦難の末、野田氏の案が元となり、生命誕生のシンボルとしてガチャピンとムックが誕生したのでした。
(「生命誕生のシンボル」は、1998年4月15日朝日新聞夕刊:「ポンキッキーズ」のガチャピンの役はダレ?(はてなてれび)の中での野田氏のコメントです。)
人気になった要因は大人
ガチャピンとムックに与えられた使命は、色々なことにチャレンジする姿を子どもたちに見せて、子どもたちが「自分もやってみよう」と行動に起こすこと。
そして、ガチャピンはアクティブに、ムックは影で支えながら、キャラクターがやるとは思えないようなことに挑戦していきます。
そして生まれたのが、「ガチャピンチャレンジシリーズ」です。
ガチャピンとムックが最初から人気があったかというとそうではなく、このガチャピンチャレンジシリーズを見た大人たちが盛り上がり、その大人(親など)を見た子どもたちが「ガチャピンがやっていることはすごいんだ」と思うようになって、人気が出るようになったのです。
ガチャムクの引退の危機とは?
ガチャムク50周年の記事やツイートなどを見ていると、「引退の危機を乗り越えて…」と言う言葉がよく目に入ります。
「えっ?そんな危機なんてあったっけ?」と思ってよくよく調べてみたら、番組の節目にガチャピンとムックが役割を終るという案が出ていたようです。
ポンキッキシリーズの初代「ひらけ!ポンキッキ」は1973年4月2日〜1993年まで続きましたが、流石に20年も経つと時代が変わるもの。
これまでは、先程もお話したように幼児教育番組という位置づけで「ひらけ!ポンキッキ」を放送していました。
しかし、1993年からはキッズエンタメ番組という位置づけで「ポンキッキーズ」にリニューアルされました。
その際に、ガチャピンとムック引退案が出たのですが、当時のゼネラルマネジャーが、子どもたちの財産だからということでガチャピンとムックをそのまま残したそうです。
ガチャピンとムックはフジテレビでも他局でもCMに出演していましたし、フジテレビの認知度調査では97〜98%、親世代はほぼ100%だったので、わざわざ引退させる理由がなかったのでしょう。
ポンキッキシリーズの歴史
ポンキッキの名前の由来
さてあなたは、「ポンキッキ」という言葉をテレビ以外で今までに聞いたことがあったでしょうか。
なかなか聞き慣れない言葉ですよね。
実は、ポンキッキの名前の由来のクイズが、フジテレビ系の「なるほど!ザ・ワールド」に出題されていました。
その中で、当時のフジテレビ社長の浅野賢澄が出演しており、自身は小説を書くのが趣味で、自作の小説内に登場させた「ポンキッキ博士」の語呂が良かったので、そのまま番組名に採用したと語っていました。
ポンキッキの名前の由来は、当時のフジテレビ社長が書いた小説内に出てくるキャラクターの名前から取ったものだったんです。
ポンキッキシリーズの経緯
ところで、ポンキッキシリーズって一体いくつあるんでしょうか。
ちなみに私は、ポンキッキーズを見ていた記憶はありますが、その前のひらけ!ポンキッキやその後のシリーズは知りません。
そこで、ちょっとポンキッキシリーズの移り変わりを調べてみました。
- ひらけ!ポンキッキ:1973年4月〜1993年9月
- Super Kids Zoneポンキッキーズ:1993年10月〜2001年3月
- ポンキッキーズ21:2001年4月〜2005年3月
- ポンキッキーズ:2005年4月〜2006年3月
- ポンキッキ:2006年4月〜2007年3月
- Super Kids Zone Beポンキッキ:2008年4月〜2011年4月
- beポンキッキーズ:2011年4月〜2017年3月
- ポンキッキーズ:2017年4月〜2018年3月
2018年3月の45周年の節目でポンキッキシリーズは終了し、後継番組として2018年7月からガチャムクがスタートしました。
こうして見ると、ポンキッキやポンキッキーズって色々あるんですね。
ちなみに、私が知っているポンキッキーズは「Super Kids Zoneポンキッキーズ」だったようです。
まとめ
- ガチャムクのモデルはビートルズではない
- ガチャピンのモデルは野田宏一朗か?
- ガチャピンのモデルがニール・R・ジョーンズという説もある
- 名前の由来は、自己紹介の冒頭に隠されている
- ガチャムクの誕生日は同じで永遠の5歳
- 芸歴は2023年4月2日で50年
- ガチャピンは恐竜の子どもでムックは雪男の子ども
- ガチャピンは動的でムックは静的な性格
- ガチャムクは師弟関係
- 幼児教育番組としてスタート
- ガチャムクは生命誕生のシンボル
- 人気になった要因は大人
- 幼児教育番組からキッズエンタメ番組に替わるタイミング
- ガチャムクの認知度が高かく子どもたちの財産のため残った
- 名前の由来は社長が書いた小説のポンキッキ博士
- 45周年の節目でポンキッキシリーズ終了
- 後継番組としてガチャムクスタート