ステルス値上げとは、価格はそのままで内容量を減らすという、私達消費者が気づきにくい値上げのことをいいます。
(たまに、しれっと内容量を減らして価格も上げている商品もあります。)
ステルス機のようにレーダー(消費者の目)に認知されにくいことから、その名つけられています。
2022年にも多くの企業が食料品の値上げをしていましたが、2023年6月から、新たに食料品3575品目の値上げが発表されましたよね。
その多くは、電気料金や油の高騰が原因で価格が上昇しています。
そしてその中にはステルス値上げの商品もあり、特に注目されたのがmeiji(明治)のドリンクタイプのヨーグルト。
ステルス値上げのやり方が天才的だとも言われているんです。
そこで今回は、明治のヨーグルトのステルス値上げを中心にお伝えします。
明治の天才的なステルス値上げ
ドリンクタイプの内容量を変更
明治が牛乳やヨーグルトなどの値上げを発表し、特にR-1などのドリンクタイプのヨーグルトは、価格はそのままで内容量を減らすというステルス値上げを行います。
実際に明治のホームページに書かれてあるプレスリリースを見てみると、なんと内容量の数字はそのままではありませんか。
しかし、単位が違いますよね。
現行のml(体積)からg(質量)に改定されます。
ヨーグルトの体積と質量の違い
体積表記と質量表記にはどのような違いがあるんでしょうか。
体積と質量の計算式は、
質量(g)=体積(ml)×密度(g/ml)
です。
これが例えば水の場合、密度は1g/mlのため、質量=体積となりますよね。
しかし、ヨーグルトは水よりも密度が大きく、約1.05g/mlです。
ドリンクタイプのヨーグルト100mlが100gになるということは、
体積(ml)
=100g÷1.05g/ml95.23ml
=95.23ml
となり、従来の100mlから約5%内容量減となるんです。
ちなみに、公式サイトにもヨーグルト17品が約5%減となる旨、きちんと記載されています。
なぜmlからg表記に変えるのか
内容量の数字は変えずに単位を変えるステルス値上げが天才的と話題となっていますが、なぜ明治はmlからg表記へ変更するのでしょうか。
明治の広報担当によると、
生乳価格上昇の影響や、商品特性なども考慮し、さまざま検討した上で内容量変更にしました。
当社の市販ヨーグルトではプロビオヨーグルトドリンクのみml表記となっており、内容量を質量(g)で管理するため表記を統一することになりました。
meiji広報
とのことです。
明治が失敗した過去のステルス値上げ
セブンイレブンやダイソーを始め、ほとんどの企業がこれまでにいくつかの商品をステルス値上げをしていますが、明治も例外ではありません。
過去に「おいしい牛乳」を値上げしてプチ炎上したことがあります。
それが、「筋肉の負担を1割軽減する」という理由で、価格はそのままで1000mlの内容量を900mlへ変更した件。
これなら、「素直に値上げしますって言ったほうがいいんじゃないか。」などと色々なツッコミがあったようですね。
この件もあり、今回のドリンクタイプのヨーグルトの、数字は変えずに単位を変えて内容量を減らす方法が、詐欺師のマジックのようで天才的だといわれています。
ステルス値上げは日本だけではない
What is shrinkflation?
— Vivek (@Vivek_Investor) June 14, 2022
Inflation |
Src: WAfwd. pic.twitter.com/c1vk2JRo53
ステルス値上げは日本の企業だけがやっているかというと、そうではありません。
むしろ、海外では頻繁にやられていることで、日本よりも早くに海外で行われていたといわれています。
どこの国でもステルス値上げが行われているようです。
食料品は3575品目値上げ
昨年もその前からも物価が上昇し続けていますが、今年の6月からまた更に値上げラッシュが続いていきます。
食料品の値上げは全部で3575品目ですが、映画館や電気料金、雑貨なども軒並み値上げ。
それにもかかわらず給料は据え置きですので、どうしても節約するようになってしまいますよね。
果たして、日本の経済はどうなってしまうのでしょうか。
まとめ
明治が数字の表記はそのままで単位を変えて内容量を減らすという、天才的なステルス値上げについてお伝えしました。
明治は牛乳などを値上げし、ドリンクタイプのヨーグルトは内容量を減らすとしっかりと発表しているので、これならまだ許せる範囲なのではないでしょうか。
許せないのは、某イレブンなどのように、多く入っているように見せかけて実は少ししか入っていないステルス値上げ。
そもそも、ステルス値上げなどせず、内容量はそのままで素直に価格を上げれば良いと思うんですが…。
収入は変わらないのに物価ばかり上がっていくのはつらいですよね。