7月に入ってから、何の予告もなく突如Twitterに閲覧制限がかかり、困惑する人が続出しましたよね。
Twitterに制限がかかると、「API呼び出しの回数制限を超えました」と表示され、新しいツイートを見ることができなくなってしまいます。
Twitterのアクティブユーザーは、世界で約3億人、日本だけでも約6000万人います。(2023年3月現在)
Twitter中心に生活をしている人も多い中、なぜイーロン・マスク氏は、突如Twitterに制限をかけたのでしょうか。
今回は、イーロン・マスク氏がTwitterに制限をかけた理由と、解除の予想や海外の反応についてお伝えします。
Twitterに制限がかかる条件
Twitterに制限がかかる条件は、以下の3つのパターンの1日の閲覧数によります。
認証済みアカウント:1万件
認証されていないアカウント:1,000件
新規アカウント:500件
投稿数や検索数ではなく、閲覧数であることに注意しましょう。
これらの閲覧数を超えると、「API呼び出しの回数制限を超えました」と表示されてツイートを見ることができなくなってしまうんです。
多くの人は、認証されていないアカウントのため、スクロールしただけですぐに制限がかかってしまいます。
しかも、閲覧数にはプロモーション(広告)も含まれるため、必要な情報を見られないという不便な状況になってしまいましたよね。
青色バッチ:Twitter Blue有料会員
金色バッチ:Twitterが企業公式と認めたアカウント
灰色バッチ:Twitterが公的機関と認めたアカウント
イーロン・マスクがTwitterを制限した2つの理由
①サーバーに負荷がかかるため
イーロン・マスク氏がTwitterに制限をかけた理由について、自身のTwitterでツイートしていました。
それが、サーバーに負荷がかかるなどシステム上の問題というもの。
訳)極端なレベルのデータスクレイピング(データ抽出)とシステム操作に対処するため、一時的な制限を適用した。
膨大な情報のやり取りがTwitter上で毎日行われているため、サーバーにかかる負荷を軽減するために、Twitterの閲覧数を制限したようですね。
なぜ今更サーバーに負荷がかかるのか?
Twitterの利用者数は年々増えているとはいえ、なぜ今になってサーバーに負荷がかかるのでしょうか。
その原因は2つ考えられます。
まず1つ目は、消費者の動向や言語学習を目的とした企業がデータの収集・情報の吸い上げ等を行っており、私達一般ユーザーよりも企業アカウントがTwitterのサーバーに負荷をかけているという点。
もう一つが、Twitterの従業員を大量リストラしたため、システム管理に支障が生じたというものです。
他にも要因はあるかもしれませんが、主にこの2つの原因により、サーバーに負荷がかかってTwitterを制限したのでしょう。
②イーロン・マスクは生成AIを支持していない
イーロン・マスク氏がTwitterに制限をかけた2つ目の理由は、生成AIの開発を抑制するためです。
イーロン・マスク氏は、生成AIが発達することは人類にとって好ましくないと考えています。
実際に、『生成AIで失業者急増⁉広島AIプロセスの著作権ルールはいかに』でもお伝えしたように、すでにイラストレーターなどのクリエイターの職業がAIに奪われるような出来事が起きていますよね。
もちろん、生成AIが私達の暮らしを楽にしてくれる可能性はあるんですが、イーロン・マスク氏は生成AIを敬遠しているんです。
Twitterには大量の言語情報があり、Twitterを利用して生成AIに学習させる企業が増えてきていることも事実。
それによってサーバーに負荷がかかり、しかもTwitterが生成AIを発展させるツールとして使われているため、Twitterに制限をかけるよう踏み切ったものと考えられます。
Twitterの制限は今後どうなる見込み?
Twitterの制限は一時的と投稿している
最初、イーロン・マスク氏はTwitterの1日の閲覧数を、今以上に制限していました。
Twitterに閲覧制限をかけた当初は、
認証済みアカウント:6,000件
認証されていないアカウント:600件
新規アカウント:300件
だったものを、
認証済みアカウント:8,000件
認証されていないアカウント:800件
新規アカウント:400件
に緩和し、今は
認証済みアカウント:1万件
認証されていないアカウント:1,000件
新規アカウント:500件
となっています。
一時的な制限がいつまで続くのかはイーロン・マスク氏の気分次第ですが、そこまで長くはならないのではないでしょうか。
というのも、Twitterの閲覧数を制限してしまうと、プロモーション(広告)まで制限され、ますます業績が悪化してしまいますよね。
Twitterの収入源は、Twitter Blue(有料会員)と広告収入ですが、広告収入が大多数を占めています。
Twitterに制限をかけると収入が減り、自分で自分の首を締めることとなるので、システム的な問題が解消されれば、制限が解除又は緩和されるでしょう。
イーロン・マスクは思いつきで行動する人
「思い立ったが吉日」という言葉通り、イーロン・マスク氏は思いつきで即行動する人で有名ですよね。
今回のTwitterの制限も、システム的な問題が生じたものの、ひとまずの応急処置として咄嗟に行動をとったものではないでしょうか。
もしかすると、この機会に私達消費者の動向や生成AIにどう影響を及ぼすのかを観察しているのかもしれません。
つまり、実証実験ということですね。
イーロン・マスク氏が実証実験しているかどうかは定かではありませんが、もしそうだとすると、ある程度結果が得られれば、制限が解消されるか緩和されることでしょう。
Twitterを健全経営させることを優先か?
先程からお伝えしているように、イーロン・マスク氏がTwitterに制限をかけた1番の理由は、人員削減によるサーバー負荷などのシステム上の問題です。
ですが、そもそもTwitterの人員削減を行ったのは、Twitterの業績が良くなかったからです。
つまり、広告収入だけでは足りないということ。
Twitterは公共事業ではなく営利目的のものですよね。
資本主義社会である以上、しっかりと利益を出さなければなりません。
そうなると今度は、有料会員(VIP)は制限を緩和し、無課金アカウントは制限をかけたままということもあり得るでしょう。
Twitterに代わるSNS「Threads」登場!
Twitterに制限がかかってから、Twitterの代わりとなるSNSを探している人がたくさんいますよね。
そんな中、FacebookやInstagramでおなじみのMeta社が、ほぼTwitterの同じ機能を持つThreads(スレッズ)をリリース!
これにより、Twitterの制限解除(又は緩和)が早まる可能性があるのではないでしょうか。
詳しくは、『Twitterの代わりになるSNS「Threads」(スレッズ)とは?違いを比較』をご覧ください。
イーロン・マスクへの海外の反応がブラックジョーク
イーロン・マスク氏と海外ユーザーのやり取りが、お互いブラックジョークをぶつけ合っていて面白かったので、いくつか紹介します。
イーロン・マスクへの皮肉ツイート
他の億万長者のように、タイタニック号を訪れるのはいつですか?
兄さん、どうにもできないのになぜこのアプリを購入したんだい?
言論の自由なアプリが必要と言っておきながら、言論を制限するなんて皮肉だ。
改善させるためにプラットフォームを購入したのに、さらに悪化させるなんて皮肉だ。
イーロン・マスクのブラックジョーク
閲覧制限に関する全ての投稿を閲覧したため、閲覧が制限されました。
おう、閲覧制限に対して文句を言ったせいで、閲覧制限に達するという皮肉。
ユーザーからの皮肉に対して皮肉で返しているイーロン・マスク氏、不覚にもちょっと面白いと思ってしまいました。
イーロン・マスクの偽アカウントの言葉通りでは?
私が“閲覧制限”を設定した理由は、私達は皆Twitter中毒者のため、外出する必要があるからです。
私はここで世界のために良い行いをしています。
別の視点から述べるとそういうことです。
このイーロン・マスク氏のパロディアカウントに対し、イーロン・マスク氏も次のように反応しています。
あなたは深いトランス状態から目覚め、電話から離れよう。
友達や家族に会うために。
まとめ
今回は、イーロン・マスク氏がTwitterを制限した理由についてお伝えしました。
サーバー負荷などのシステム的な問題のほか、生成AIの発達を抑制するためということもあるようです。
一方で、私達はスマホ中毒になってしまっていて、人との触れ合いがだんだんと離れてしまっていますよね。
Twitter民やネット民からすると、
- リアルな友達がいないからTwitterをやっている
- Twitter外に遊んでいる友達はいない
- PTSDになったら訴訟する
- 水槽から水を抜いただけで魚が歩き出すわけない(急にTwitterを使えなくしてもリアルで人に会えるわけがない)
などの意見もあるみたいですが、この機会に徐々に現実世界(元の生活)に慣れていくのもありなのではないでしょうか。
Twitterは公共事業ではありませんので、そのあたりは私達も理解しないといけませんよね。
なんとなくですが、イーロン・マスク氏はスクラップ&ビルドを目指している気がします。
今はTwitterを改善するための膿出し。今後より使いやすくなることを期待しましょう。