映画ハリー・ポッターシリーズは全世界で爆発的な人気を得ましたよね。
中でも、ハリー・ポッターと死の秘宝Part2は、ハリー・ポッターシリーズで唯一興行収入が10億ドルを突破し、見事大好評で幕を閉じました。
そんなハリー・ポッターと死の秘宝のメイキングや未公開シーンなどを、Blu-rayやDVDで見ることができます。
さらに今回、あまり公にされていない裏話についても入手しましたので、映画だけでは見ることのできなかったハリー・ポッターと死の秘宝の舞台裏についてお伝えします。
映画ハリー・ポッターシリーズの興行収入
はじめに、映画ハリー・ポッターシリーズがどれほどすごかったのか、その興行収入についてお伝えします。
ウィキペディアの情報によると、ハリー・ポッターシリーズの興行収入は、全部合わせると77億ドル超え。日本円にして約8,300億円にも登ります。
内訳は、ランキング形式で以下のとおりです。
- ハリー・ポッターと死の秘宝Part2 約13億4000万ドル
- ハリー・ポッターと賢者の石 約9億7500万ドル
- ハリー・ポッターと死の秘宝Part1 約9億6000万ドル
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 約9億4000万ドル
- ハリー・ポッターと謎のプリンセス 約9億3400万ドル
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット 約8億9700万ドル
- ハリー・ポッターと秘密の部屋 約8億7900万ドル
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 約7億9700万ドル
ハリー・ポッターと死の秘宝Part2に至っては、年間興行収入が全世界で1位でした。
全期間を通しての世界歴代興行収入では8位にランクインしています。
ハリー・ポッターと死の秘宝が大ヒットした理由
Part1とPart2に分けたため
これまでの作品は、映画の尺の関係で小説の大部分をカットした内容となっていました。
しかし、ハリー・ポッターと死の秘宝はPart1とPart2に分けて作ったので、小説の内容をあまりカットすることなく映画で表現できたことが、これまで以上の大ヒットに繋がったんです。
J・K・ローリングがプロデューサーとして参加したため
大ヒットした理由がもう一つあり、それはハリー・ポッターの原作者であるJ・K・ローリングが、最後の映画作品にプロデューサーとして参加したことです。
これまでは映画制作のスタッフのみで映画を撮っていましたが、最後の作品であるハリー・ポッターと死の秘宝だけはJ・K・ローリングも参加し、ほぼ原作通りに描かれたので、原作が好きなファンから大好評を得ています。
特に、クライマックスの最終決戦は上手く実写化され、原作を超えたと評価されました。
ハリー・ポッターと死の秘宝の裏話
俳優たちの意見を反映したシーン
ヘレナとエマのアイディア
ハリー・ポッターと死の秘宝Part1で、ベラトリックスがハーマイオニーに拷問するシーンがありますよね。
ベラトリックスがハーマイオニーから、ハリーやグリフィンドールの剣の情報を聞き出そうと拷問します。
その時、ベラトリックスは銀のナイフでハーマイオニーの腕に「mudblood」(けがれた血)と刻むんですが、これは最初台本には書かれておらず、ヘレナとエマが考えたものなんです。
ハーマイオニーの部屋
ハーマイオニーの部屋がセットされ、そこに入ったエマは違和感を覚えます。
それは、部屋に本棚がなかったこと。
秀才のハーマイオニーであれば「部屋にたくさんの本が絶対にあるはず」ということをエマは制作陣に伝え、ハーマイオニーの部屋に直ちに本棚が設置されました。
ヴォルデモートのハグはアドリブ
ヴォルデモート卿が皆の前でドラコにハグをするシーンがありますよね。
これ実は、ヴォルデモートを演じたレイフ・ファインズのアドリブなんです。
ドラコがヴォルデモートに近づくことは台本に書かれており、このシーンだけで30以上ものテイクを撮りました。
30テイクを超えた時点でファインズが急にアドリブをし、ドラコ役のトムは戸惑ってフリーズしまったとのこと。
その後も撮り直しはありましたが、ドラコがヴォルデモートに近づくシーンは、ヴォルデモートがドラコをハグしたテイクが使われたんです。
ルーナのアクセサリーはイヴァナの手作り
映画に登場するキャラクターの衣装やアクセサリーは、そのほとんどは美術スタッフが作成します。
しかし、ルーナの衣装やアクセサリー、部屋の置物などの一部は、ルーナ役のイヴァナ・リンチが作ったもの。
結婚式で披露したダンスも、イヴァナが振り付けを考えて踊っていたのでした。
撮影難易度が高かったシーン
七人のハリー・ポッター
ハリー・ポッターと死の秘宝Part1で、仲間たちが薬を飲んでハリー・ポッターに化け、七人のハリー・ポッターが登場するシーンがあります。
これはどうやって撮影したかというと、ダニエルが決まった位置に立ち、その後ろにはグリーンバックを設置。
ダニエルがその決められた位置で演じるんですが、少しでもズレたらNGとなってしまいます。
それだけならまだしも、ダニエルにとってはキツイ撮影となりました。
それはなぜかというと、それぞれのキャラクターをダニエルが一人で演じないといけなかったからです。
映画ではわずか数十秒流れただけでしたが、それに費やした撮影時間はなんと3日間!
90テイク以上も撮り直したのでした。
皆がハリー・ポッターに変わるシーン
薬を飲んだキャラクターたちの顔をよく見ると、徐々にハリー・ポッター(ダニエル)の顔に変化していくのがわかりますよね。
これは、最新のCG技術によるものです。
俳優たちに紫外線を当てると見える特殊メイクをし、それぞれの顔を撮影。
それを、ダニエルの顔と混ぜて、撮影したシーンを被せると出来上がり、といった感じです。
今となっては画像生成AIの発展によって、素人でも合成が可能な時代になりましたが、当時は最新のCG技術で、しかもそのさらに10年前のハリー・ポッターと賢者の石のときにはなかった技術だったんです。
ベラトリックスのふりをしているハーマイオニー
ハリー・ポッターと死の秘宝Part2で、ベラトリックスに変装したハーマイオニーがグリンゴッツ銀行へ行くシーンがあります。
実はこのシーン、エマがベラトリックスに扮して演じているわけではなく、ベラトリックスのふりをしているハーマイオニーを演じているヘレナなんです。
…言っている意味わかりますかね?
このシーンを撮るのにも時間と労力を費やしていて、まず、エマがベラトリックスのふりをするハーマイオニーを演じます。
そしてその録画をヘレナが研究して、エマがハーマイオニーを演じる特徴を掴み、撮影したものなんですよね。
ハーマイオニーを研究したヘレナは、
- 笑う時に行きを吸う音を出す
- 手をよく使って表現する
- セリフを言う前につばを飲み込む癖がある
といった、エマ自身も知らなかった癖を分析し、見事ヘレナはベラトリックスの変装をしたハーマイオニーを違和感なく演じたのでした。
なお、後ろにいる死喰い人(デスイーター)の変装をしたロンは、ルパート本人です。
この時にルパートがかぶったカツラは、ゲイリーがシリウスを演じる時に使ったカツラと一緒だったようですね。
デスイーターの格好をしていて控えていたルパートは、ダニエルにもエマにも他の出演者にも、自分がルパートだということを気づいてもらえなかったとか…。
ハリー・ポッターと死の秘宝未公開シーン
ペチュニアおばさんの心境
ペチュニア・ダーズリーは、ハリーの母リリーの姉。ハリーから見て叔母にあたる人です。
ハリー・ポッターと賢者の石の時から出ていましたが、魔法界との繋がりを絶つため、ハリーを物置小屋に住まわせたりして酷く扱っていましたよね。
そんな彼女が引越しをする時、ハリーに妹のリリーについて語ったんですが、その部分は未公開シーンとなってしまいました。
ちなみに未公開シーンとなったペチュニアとハリーの会話は以下のとおりです。
ペチュニア
この家には20年も住んだのよ。それが、たった一夜にして出て行くことになるなんてね。ハリー
あいつらは、僕を探すためにどんな手も使うんだ。ペチュニア
ハリー・ポッターと死の秘宝Part1未公開シーン
私が何も知らないとでも思っているの?あの晩、あなたは母親を失ったけれど、私だって妹を亡くしたのよ。
ハリーとダドリーの和解シーン
ダーズリー家が引越しをする際、ダドリー・ダーズリーとハリーが握手して和解するシーンを撮っていましたが、ここの部分は未公開シーンとなりました。
ダドリーとハリーが和解した理由は、ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団で、ダドリーがディメンター(吸魂鬼)に襲われたときハリーに助けられ、ハリーに心を開いからです。
ハリーの母リリーが死ぬ間際、ハリーに愛情を源とした守護魔法を施しました。
この守護魔法は、血縁者が近くにいれば発揮されますが、17歳(成人)でその魔法は失われてしまいます。
そのため、ハリーが赤ん坊の頃にリリーの姉であるペチュニアがいるダドリー家に預けられ、ハリーが17歳になって守護魔法が解ける頃に、ヴォルデモートなどから命が狙われないよう、ダドリー家は引っ越すこととなったんです。
ドラコがハリーを手伝うシーン
死んだと思っていたハリーが生きていることを知ったドラコ・マルフォイは、ハリーの元へ駆け寄って杖を渡します。
そもそも、ドラコが悪魔側に立ったのは両親の評判に関わるからであって、ドラコ自身は葛藤するシーンがいくつか描かれていました。
しかし、ハリーに杖を渡すシーンは、ドラコが突然善人になった印象を受けるため、撮影はしたもののお蔵入りとなったんです。
ハリー・ポッターと死の秘宝に関するトリビアネタ
ホグワーツを護る石の衛兵の盾
石の衛兵の盾をよく見てみると、彼らの盾にはそれぞれホグワーツの4つの寮の絵が刻まれています。
スネイプvsマクゴナガル
マクゴナガル教授(校長)の怒涛の攻撃で、スネイプが攻撃できずに防御に専念するシーンがありますよね。
実は、よく見てみると、スネイプの後ろにいるデスイーターに攻撃が当たっています。
スネイプがマクゴナガル教授の攻撃を受け流しつつ、デスイーターを倒しているんです。
ちなみにこのシーン、本当はスネイプvsハリーの予定だったとのこと。
映画製作陣は、ハリー・ポッターと謎のプリンセスでのスネイプとハリーの戦いの続きを描こうとしていました。
しかし、今回プロデューサーとして参戦したJ・K・ローリングが、マクゴナガル教授の活躍が大事ということで原作通りになったんです。
マクゴナガル教授が校長となった後、その実力を知ることができてよかったのではないでしょうか。
ヴォルデモートとベラトリックスの関係
映画を見ていると、ほとんどいつもベラトリックスがヴォルデモートの右側に立っていることがわかります。
これは、たまたまそうなっているのではなく、ベラトリックスはヴォルデモートの右腕という意味を表しているんです。
ハーマイオニーの両親のつぶやき
ハーマイオニーの両親がオーストラリアについて話し合っているシーンがあります。
これは、ハーマイオニーが両親から自分の記憶を消すと同時にオーストラリア(海外)へ引っ越すことをインプットしたセリフなんです。
なぜハーマイオニーが両親の記憶を消したかというと、ヴォルデモートに狙われないようにするため。
自分はハリーに協力している関係上、ヴォルデモートたちと戦っていますが、ハーマイオニーの両親はマグルなので何の力もありませんよね。
両親を護るため、そして自分が死んでも悲しむことがないよう、ハーマイオニーは両親から自分の記憶を消してオーストラリアへ移住するようにしたんです。
ドビーの最初と最後のセリフ
ドビーは、ハリーたちを救出する際にベラトリックスに命を奪われてしまいます。
そして最後のセリフが「ハリー・ポッター」なんですが、実は最初ドビーが登場した時のセリフも「ハリー・ポッター」でした。
必要の部屋にある小道具
必要の部屋は、ホグワーツの隠し部屋で必要としている時にだけ現れる不思議な部屋ですよね。
この部屋には、たくさんの道具が映し出されていますが、こちらはCGではなく10年間撮影に使われてきた小道具をかき集めたもの。
ただ、最後の火だけはCGです。
ハーマイオニーのホウキ
ハリー・ポッターと死の秘宝で、はじめてハーマイオニーがホウキに乗って飛ぶシーンが映し出されます。
ハーマイオニー(エマ)がホウキに乗る姿は、これが最初で最後でした。
最後の戦いのシーン
ハリーとロン、ハーマイオニーが最後にクリーチャーたちと戦います。
そのクリーチャーとは、トロール>アクロマンチュラ>狼人間>ディメンター。
これらは、ハリー・ポッターと賢者の石の時から戦ってきたクリーチャーの順番と同じ。
私達がシリーズを振り返られるようにした演出だったんです。
ダニエルに関するトリビア
- ダニエルが使った杖の本数は約80本
ダニエルは休憩中に、杖をドラムスティック代わりにして叩いて遊ぶため、杖を80本近く折ってしまった。 - ダニエルは全作品を通して160個のメガネを使った
- ハリーの額の傷跡のメイクは5800回行っている
ダニエルへのメイクが2000回でダニエルの代役へのメイクが3800回 - ダニエルの出演料は1作目と8作目で約500倍
ダニエルの1作目の出演料は約1千万円、8作目では約52億円だった。
シリーズ全体では100億円以上稼いだ。
ちなみに、シリーズを通してエマは約70億円、ルパートは約57億円。
まとめ
ハリー・ポッターと死の秘宝の舞台裏について、長々と話してきました。
それだけ、たくさんのネタが詰まった映画だったということですよね。
また映画を見返したくなったのではないでしょうか。
ハリー・ポッターの物語は終わってしまいましたが、「呪いの子」や「ファンタスティック・ビースト」など、ハリー・ポッターに関係する作品はまだ生まれ続けています。
2025年〜2026年にハリー・ポッターのドラマ化も決まっているみたいですしね。
まだまだ楽しませてくれるハリー・ポッターには、今後ますます目が離せなくなるでしょう。