2005年以来18年ぶりの優勝となる阪神タイガースですが、ファンの人たちが阪神の優勝のことを「アレ」と言うのはなぜでしょうか。
しかも、ファンだけでなく岡田監督や選手はもちろんのこと、新聞やテレビ局に至るまで、関西のすべての人たちが「阪神のアレ」と言っていますよね。
さらには、阪神タイガースのスローガンまでも「A.R.E」(アレ)です。
なぜそこまでして阪神タイガースの優勝と言わずに「アレ」にこだわるのでしょうか。
そんな疑問を解消すべく色々と調べてみると、ハリーポッターのヴォルデモートと似たような理由であることがわかりました。
そこで今回は、関西人が「阪神のアレ」という理由など阪神タイガースの優勝に関することをお話していきます。
阪神のアレとは何?関西人が優勝と言わない理由
関西に帰ってきたら、どのチャンネルでも「阪神がアレした場合…」と妙に濁した言い方になっており、父親に理由を聞いたら「関西では報道規制がかかっており優勝と言ってはいけない決まりになっている」と信じられない話をされた pic.twitter.com/YK8BZQ66aB
— JB (@Jwahrheit) September 10, 2023
優勝しそうでも途中で失速する
阪神のアレとは、阪神タイガーズの優勝の事を指しています。
阪神タイガースのファンが自分の応援している球団の優勝を願うのは当たり前のことですが、監督や報道機関を含め、阪神タイガースに関わる全ての人が優勝のことを「アレ」と言っていますよね。
これは、優勝してほしい一方で、連勝が続いて優勝する勢いのときに、「今年は優勝だ!」と期待すればするほど途中で失速し、結局優勝どころかクライマックスシリーズにさえ出られないことがあるからです。
しかもそれが1度や2度ではなく、これまで何度もありました。
優勝する期待が大きくなればなるほど優勝できないという、トラウマというか一種の呪いのようなものに感じている人が多いみたいですね。
発端は2008年の「Vやねん!」
関西地方の報道機関は、阪神タイガースが連勝したりして波に乗っているとすぐに特集を組む癖がありました。
それがたとえ、春先であってもです。
特に有名なのが、2008年の「Vやねん!タイガース」という雑誌。
この時、阪神タイガースの優勝はまだ確定していないにも関わらず、誰もが優勝をするだろうと思っていた矢先、巨人に歴史的な連敗。優勝を逃してしまったんです。
これがきっかけで、関西の人たちが阪神タイガースの優勝のことを「阪神のアレ」と呼ぶようになったようですね。
つまり、阪神タイガースの優勝のことを「阪神のアレ」と呼ぶようになったのはいつかと言うと、2008年以降から。
そして、たとえマジック(M)が点灯したとしても、M1になったとしても、「優勝」と言っていまうと優勝できなくなるのではないかというジンクスのようなものがあるので、優勝のことをアレと表現しているんです。
つまりヴォルデモートと同じような理由
そのような経緯を聞くと、阪神のアレはハリーポッターのヴォルデモートに似ていますよね。
ハリーポッターでは、ヴォルデモートの名前を呼ぶと保護魔法が破れて居場所を感知され、死喰い人(デスイーター)が飛んできて殺されてしまうという言い伝えがあります。
そのため、多くの魔法使いはヴォルデモートのことを「例のあの人」や「名前を言ってはいけないあの人」と言うんですが、阪神タイガースの優勝もそれと同じようなものでしょう。
「優勝」という言葉を口にすると呪いがかかって優勝できなくなってしまうというジンクスがあるため、関西の人たちは阪神タイガースの優勝のことを阪神のアレと表現するんです。
「アレ」をスローガンにも採用している
阪神タイガースの岡田監督ももちろん、優勝とは言わずにアレと言っていて、しかも「A.R.E」(アレ)をスローガンにしています。
「A.R.E」とはどういう意味かというと、
Aim:目標、狙い
Respect:尊敬、敬い
Empower:パワーアップ
今年こそアレ(優勝)をするために、このスローガンにしたようですね。
阪神のアレで道頓堀に飛び込む理由
阪神タイガースがアレ(優勝)すると、みんな決まって道頓堀に飛び込みますよね。
大腸菌いっぱいのドブ川によく入る気になるなぁと思うんですが、道頓堀へ飛び込む慣習になったのはいつからでしょうか。
落語家が賭けに負けて飛び込んだ
事の発端は、1985年。
巨人ファンである落語家の桂福若さんが、友人との賭けで「阪神が優勝したら道頓堀に飛び込んだる」と約束しました。
そして見事、阪神が優勝!桂福若さんは約束どおり道頓堀へ飛び込んだんです。
しかも、それを見た阪神ファンたちが、次々に道頓堀へ飛び込む事態に。
これがきっかけで、阪神タイガースが優勝したら道頓堀に飛び込むという儀式のようなものが定着したのでした。
カーネル・サンダースの呪い発動
1985年に阪神タイガースが優勝し、次々に道頓堀へ飛び込んでいく人がいる中、桂福若さんの後輩がカーネル・サンダースの人形を川へ放り込みました。
なぜカーネル・サンダースを投げ入れたかというと、阪神タイガース最強の助っ人外国人バースに似ているという理由からです。
器物損壊であることは間違いないんですが、やばかったのがその人形が川から上って来ることはなかったということ。
そして、なんとそこから17年もの間、阪神タイガースは優勝できなかったんです。
これが、カーネル・サンダースの呪いと言われている所以です。
なお、カーネル・サンダース人形は、2009年に引き上げられています。
阪神のアレでコンビニなど休業に
阪神優勝したらミナミらへんのコンビニ全部休みなるんがちなん pic.twitter.com/HJYQcSKQqu
— かぐや (@kagland__) September 11, 2023
阪神タイガースが優勝すると、ミナミ周辺のコンビニなどの店舗は臨時休業するみたいです。
関西は他の地域に比べて活気が良いのはいいんですがやり過ぎな部分もあり、自分たちも阪神ファンに混ざりたいからというよりも、身の確保を優先するため臨時休業するところが多いのでしょう。
優勝したからといって騒ぎすぎると、また新たな呪いのようなものが降り掛かってきますので、程々に喜ぶのが一番ですよね。
まとめ
阪神のアレとは何なのか、なぜ関西の人たちは優勝という言葉を口にしないのかについて解説してきました。
阪神タイガースの優勝のことを阪神のアレと表現する理由は、ハリーポッターのヴォルデモートの名前を言ってはいけないのと同じで、一種のジンクスのようなもの。
阪神タイガースが勢いに乗っているときに、あたかも優勝するような特集を組むと途中で失速して優勝を逃すということがこれまでに何度もあったため、優勝のことをアレと表現するようになりました。
阪神タイガースが優勝すると、道頓堀に飛び込んだりして無茶する人が出てきますが、くれぐれも体と命は大切にしたいものですよね。