映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)が2022年12月3日に日本で公開され、その後韓国や台湾、中国でも順次上映されています。
一方、アメリカを始めとした英語圏では、映画スラムダンクの上映予定は今のところなく、アジア圏のみの上映となっています。
実はスラムダンク、残念なことにアメリカではあまり人気がないんですよね。
そこで今回は、映画スラムダンクのアジア圏での評価と、スラムダンクがアメリカでは不人気の理由についてお伝えします。
映画スラムダンクはアジアで好評価
韓国ではスラムダンクが歴代1位に
韓国では2023年1月4日に映画スラムダンクが公開となり、3月には累観客動員数約381万8000人を記録しました。
これまでの日本映画の歴代興行ランキング1位は「君の名は。」(約380万2000人)でしたが、上映開始からわずか2か月でトップに躍り出たんです。
内訳は、世代である30代(33.6%)、40代(26.8%)が多いかと思いきや、以外にも20代(26.1%)も結構います。
どうやら、30代、40代の口コミが広まり、スラムダンクの漫画を知らない20代にまで人気が広がったようですね。
香港・マカオでは興行収入2位
香港とマカオでは1月12日にスラムダンクが上映開始され、7日間連続でデイリー興行収入1位を獲得しています。
また、公開から19日時点で、香港とマカオの累計興行収入は約3,600万円を突破し、日本映画歴代2に浮上しています。
なお、香港・マカオでの日本アニメ映画1位は、ドラえもんの「STAND BY ME」です。
台湾でも興行収入2位
2023年1月14日に上映開始した台湾では、公開からたった17日で興行収入約13億円を突破し、日本映画歴代2位に!
こちらも、韓国同様「君の名は。」を上回っての2位となりました。
台湾では中国語吹替版も上映されており、そちらも既に興行収入約4億円を突破しているとのこと。
ちなみに1位は、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」です。
中国では前売り券だけで22億円突破
2023年4月20日公開と、アジア圏ではやや出遅れて上映開始となった中国。
こちらでも、大変な盛り上がりを見せています。
前売り券だけで既に10億円を突破しており、先行上映された北京大学では、映画を見るだけでなくコスプレをした人たちまで現れることに。
インタビューを受けた学生からは、「これは映画ではない、試合なんだ」という名言まで飛び出しました。
中国での日本アニメ映画は結構人気で、今の所、1位は「すずめの戸締まり」(約146.7億円)、2位は「君の名は。」(約144.8億円)です。
果たして、映画スラムダンクは、これらの映画を超えることができるのでしょうか。
中国ではまだ上映されたばかりですので、来場者数や興行収入などはまだわかりませんが、これはもしかすると、日本映画歴代1位も期待できるかもしれませんよね。
日本では興行収入131億円突破
日本では、4月16日時点で興行収入が131億円を超えています。
30代、40代の人は、スラムダンクを観ると青春時代を思い出す人は多いのではないでしょうか。
今後もますます映画を観る人が増えると思いますが、果たしてどこまで伸びるのか、期待したいですよね。
ちなみに、1位は「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(404.3億円)、2位が「千と千尋の神隠し」(316.8億円)、3位が「アナと雪の女王」(255億円)、そして4位「君の名は。」、5位「もののけ姫」と続きます。
ジャンプ(集英社)だけで見ると、鬼滅の刃の次が「ONE PIECE FILM RED」(197億円)、そして「劇場版 呪術廻戦0」(138億円)です。
呪術廻戦を上回るのも、既に秒読み体制といったところですよね。
映画スラムダンクのアメリカ上映予定
冒頭でもお伝えしたとおり、アメリカやメキシコを始めとした英語圏では、現在のところ残念ながらスラムダンクの上映予定はありません。(2023.4.20現在)
英語圏にも、もちろんスラムダンクのファンはおり、Twitter上では、「いつ公開されますか?」といくつかツイートもされています。
スラムダンクがアメリカで不人気の理由
スポーツの漫画に違和感がある
アメリカでは、スポーツをリアルなものと捉えており、それをコミカルな漫画にすることに違和感があるようですね。
そのため、スラムダンクだけではなく、スポーツを題材とした漫画がどれも不発に終わっているんです。
逆に、ヒーローものは根強い人気があり、日本の漫画だと「ワンパンマン」(原作:ONE、作画:村田雄介)の評価がかなり高くて好評。
映画だと、アベンジャーズやスパイダーマン、バットマン、スーパーマンなどのヒーローものは、昔からずっと人気があります。
多くのアメリカ人は、唯一無二のヒーローに憧れ、またそれになりたいと思っていることが理由に挙げられます。
R指定されやすい
R指定とは、R15やR18など、この年齢以下の人たちは閲覧禁止というものです。
これは、宗教の違いによるものでしょう。
アメリカは基本的にキリスト教で、暴力シーンや恋愛シーン、肌を露出した描写などはR指定がかかるそうです。
ヒーロー系は暴力シーン満載だけど良いの?と思いますが、どうもフィクションとして区別されるため、受け入れられているようですね。
スポーツはフィクションではなくリアルと捉えるのがアメリカの人たちですので、例えばスラムダンクのミッチー(三井寿)の暴力シーンなどが描かれている部分は、R指定となってしまうんです。
話の展開が遅くてじれったい
これは、アメリカ人のほとんどの人がそう思うようです。
というか、私達でも漫画やアニメを見ている時、「やたらと尺使って引き伸ばすなぁ」と思う時ってありますよね。
その感覚が、アメリカ人の方が敏感のようです。
基本的にヒーロー系のように、どんどん成長して敵をぶっ飛ばしていくのが好きなので、例えば1試合終わるのに5巻も読まないといけない漫画は、つまらなく感じるようですね。
私達は、キャラクターの心情を読むのも漫画の醍醐味として捉えますが、アメリカの人はとにかく展開重視で、何が起こるのかをスピーディに知ることの方が大事のようです。
そもそも漫画をあまり読まない
アメリカで漫画があまり流行らない一番の理由は、これですね。
もうこれは、文化の違いとしか言いようがないです。
アメリカの人たちは、基本的には漫画よりも、テレビでディズニーアニメやヒーローアニメ、コミカルアニメを見ますし、漫画を読んだとしても高校生くらいまでです。
アメリカの大学は入るのはそこまで難しくはないが卒業するのがかなり難しいという話を、あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。
大学生になると勉強と仕事(アルバイトなど)が第一優先となるため、漫画を読む時間なんてないみたいですね。
まとめ
映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)は、日本でも人気ですが、韓国や台湾を始めとしたアジアでもかなり好評のようです。
一方、アメリカでは上映の予定はなく、一部のスラムダンクファンはいるものの、あまり人気がないようで…。
これは一言でいうと、宗教と文化の違いですよね。
日本は漫画・アニメ大国ですし、韓国や台湾、中国でも日本のアニメはかなり受け入れられています。
しかし、アメリカはそもそも漫画を読む習慣があまりないので、スラムダンクの認知度が低いと言えるでしょう。
文化と宗教の違いは仕方ないので、映画スラムダンクがアジア圏でどこまで伸びるのか、注目していきたいところです。