「海老名市と伊勢原市が合併を発表。新市名は伊勢海老市」という速報が、一部のSNSを賑わせています。
この速報は、2023年4月1日の午前中、つまりエイプリルフールに流れていました。
確かに、海老名市と伊勢原市が合併した場合、ゴロ的に伊勢海老市とう名前でもおかしくなさそうですよね。
果たして海老名市と伊勢原市の合併はあり得るのでしょうか。
また、合併した場合、どのようなことが起こりうるのか、そのメリット・デメリットなどについてお伝えします。
海老名市と伊勢原市合併で伊勢海老市?
発信元は大神奈川
海老名市と伊勢原市が合併して伊勢海老市が誕生するという話は、あくまでもエイプリルフールネタですので、信用しないでください。
発信元は、ちょっとほっこりするような面白いネタをツイートする大神奈川というアカウントです。
今回の伊勢海老市もそうですが、よくこんな面白いこと考えられるなぁというようなネタをよくツイートしていますね。
伊勢原市と海老名市はそもそも隣接していない
「伊勢原市や海老名市の場所はどこにあるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
両市とも、神奈川県に実際に存在している市です。
場所は神奈川県の中央に位置していますが、地図をよく見てみると、なんと伊勢原市も海老名市も隣接していないではありませんか。
伊勢原市と海老名市の間に厚木市があります。
このことを知っている方々は、厚木市も合併すると「厚切り伊勢海老市」や「厚木り大伊勢海老市」がいいなど大喜利のようなツイートをしていたりもします。
伊勢海老市に海はない
仮に、伊勢原市と海老名市が合併して伊勢海老市になったとしても、両市とも海に面していないため、海産物は採れません。
「伊勢海老」という名前がついているだけにちょっと残念ですよね。
とはいえ、名前的に経済効果は見込めそうなので、おそらく海産物は市内に養殖場を設けたりして、伊勢海老を中心に安定供給を目指すことになるでしょう。
神奈川県の計画に合併論がある
「平成の大合併」という言葉があったように、実は神奈川県内でも合併の計画はいくつかあります。
「神奈川県における自主的な市町村の合併の推進に関する構想」(平成19年10月神奈川県発行)に記載されていますので、少し内容を見てみましょう。
まず海老名市ですが、「県央圏域」に分類されています。
県央圏域は海老名市の他に、厚木市、愛川町、清川村、座間市、綾瀬市があります。
そのうち、厚木市、愛川町、清川村とで合併、そして大和市、海老名市、座間市、綾瀬市とで合併という話は上がっていたようです。
続いて伊勢原市ですが、「湘南西圏域」に分類されています。
湘南西圏域は伊勢原市の他に、平塚市、秦野市、大磯町、二宮町、中井町があり、その中での合併での検討の余地があるとのことです。
ということは…海老名市も伊勢原市も圏域が違うので、厚木市を含めれば合併の可能性が0ではないものの、今のところはその見込みはほとんどないと考えても良さそうですよね。
仮に合併したときのメリット・デメリット
住所変更は必要なのか
海老名市と伊勢原市が合併して伊勢海老市になったとすると、当然住所も伊勢海老市になります。
そうした場合に困るのが、住所変更にともなう各種手続きが必要なのかどうかというところですよね。
基本的に、国や行政、郵便などの公的機関への変更手続きは必要ありません。
気をつけないといけないのが、銀行や保険、クレジットカードなどは住所変更が必要ということです。
なお、合併により番地が変わった場合は、郵便や免許証などの公的機関であっても変更の手続きが必要になるようです。
利用できる施設はどうなるのか
合併すると支所や出張所ができ、住民側としては今まで以上に利用しやすくなる可能性があります。
気をつけるべき点は、ゴミ処理場やし尿処理場、火葬場などが変わる(統一される)可能性があるということですね。
単独の施設の場合は組合になる可能性がありますし、合併によって複数の施設がある場合は徐々に統一されていって他の同じ役割を持つ施設は廃止になることも考えられます。
また、水道料金は、高い方に合わせられるか、広域展開によってサービス向上(修繕など)のため、値上がりすることもあるでしょう。
合併した場合の市職員のクビキリはあるのか
合併によって市職員が急に削減されることはなさそうです。
市職員が急にいなくなると、住民側としてもサービスを受けづらくなりますよね。
ただ、数年かけて採用幅を減らすなどして全体の市職員数を減らすことはあり得ます。
また、夕張市のように破綻によって吸収合併される場合は、市職員のクビキリは起こり得ます。
姉妹/友好都市などの提携はどうなるのか
各自治体では、姉妹都市や友好都市、災害時相互応援協定などを提携していることがほとんどです。
もし合併した場合、これらの提携はどうなるのでしょうか。
一般社団法人自治体国際化協会によると、基本的には新自治体名で再度提携書を交わす事例が多いようです。
ちなみに、海老名市と伊勢原市のそれぞれの提携都市は下記のとおりとなっています。
- 宮城県白石市(姉妹都市(1994年に友好都市から姉妹都市へ))
- 北海道登別市(姉妹都市)
- 長野県茅野市(姉妹都市)
- アメリカ合衆国カリフォルニア州ラミラダ市(姉妹都市)
まとめ
- 発信元は大神奈川
- 伊勢原市と海老名市はそもそも隣接していない
- 伊勢海老市に海はない
- 海老名市は県央圏域
- 伊勢原市は湘南西圏域
- 各圏域での合併計画は一応ある
- 基本的に公的機関への住所変更は必要ない
- 銀行や保険などは住所変更の手続きが必要
- 公的機関であっても番地が変わった場合の住所変更は必要
- 支所や出張所ができて利用しやすくなる可能性あり
- ゴミ処理場など一部の施設は統一される可能性あり
- 市職員は徐々に削減される可能性あり
- 姉妹都市提携等は提携書を交わし直す