弱者男性とは、元々は男性が抱える様々な問題を包括的に指す言葉で、2010年代にインターネット上で生まれた言葉です。
弱者男性という言葉が生まれた当初、その特徴としては
- 経済力が弱い
- 就職や転職に苦労している
- 恋愛をほとんどしたことがない
- いつも孤独
- メンタルが常に不安定
などが挙げられます。
しかし最近では少し意味が違ってきているようで、今挙げた特徴に加え、リアルの女性に奥手なのに画面越しやSNSでは強気になる男性を指すことがあるようですね。
簡単にいうと、「キモくてお金のない未婚のヲタク気質なおじさん」です。
(10代や20代のおじさんの考えを持った若者も、おじさんに含まれます。)
10年くらい前に誕生した弱者男性という言葉が再び注目を浴びるようになったのは、『弱者男性の姫とは何?なぜ人は推しが結婚すると辛くなるのか』でお話したとおり。
今回は、最近の弱者男性の特徴と、画面越しの異性にガチ恋する理由についてお伝えします。
弱者男性5つの特徴
①自分に好意があると勝手に思い込む
弱者男性の1つ目の特徴は、少し知っているというだけの女性が自分に好意があると勝手に思い込むというもの。
一言でいうと、自意識過剰というやつです。
なぜそのように思い込んでしまうかというと、女性は自分に対して興味を引くために行動や発言をしていると勘違いしているからなんですよね。
そのため、会ったこともないのに、SNSやコメントのやり取りの際に少し優しくされただけで、自分に気があると思い込んでしまうんです。
②観察力が低下している
私達が人を好きになるのは、感情に急激な変化が起きたとき。
そして、恋は盲目(最近では蛇化現象)という言葉のとおり、自分にとって都合の良いものしか見えなくなります。
これは、弱者男性だけに起きるわけではなく、私達のほぼ全ての人に当てはまることでしょう。
特に弱者男性の場合は、自意識過剰で思い込みが激しい場合があるので、そうなると相手の表面的な部分しか見ようとしなくなるんですよね。
観察力が低下しているので、相手のプライベートや意見を尊重することがなくなり、自分の都合の良いように勝手に解釈してしまうのが弱者男性の危険な特徴です。
③女性を下に見てしまっている
弱者男性の特徴の一つに、極端な亭主関白が挙げられます。
このような男性は、女性は男性の欲望に応じで動くのが当然と考えているので超危険。
相手の女性を喜ばせたりプレゼントをあげたりしてほんの少し奉仕しただけで、相手は自分の言うことを聞かないといけないと思っていることが多いんですよね。
平等に接しようとはせず、女性を道具のように考えてしまっているので厄介です。
④リアルに弱いが画面越しだと強気
普段は人見知りで口下手なのに、画面越しのコメントやSNSになると途端に強気発言をする人っていますよね。
しかも、相手に冗談を言ったりして喜ばせるならまだしも、いじりの度が過ぎていて見下すような発言をしたり、自分は偉いんだと言わんばかりの俺様発言をすることも。
弱者男性にも、もちろんこの特徴が当てはまります。
このような人は、周りの人を知らないうちに不幸にさせてしまうので気をつけましょう。
⑤相手に彼氏がいるとわかった途端アンチになる
応援していた女性に彼氏がいると分かった途端、アンチになったり誹謗中傷のようなコメントをする人がいます。
これは、弱者男性の象徴といっても過言ではないですよね。
男の風上にも置けません。
『弱者男性の姫とは何?なぜ人は推しが結婚すると辛くなるのか』でもお話しましたが、お天気キャスターの檜山沙耶さんやタレントの中川翔子さんの恋愛報道のときにも、このような男性が大量発生しました。
そんなんだから、弱者男性などと呼ばれてしまうんです。
なぜ画面越しの人にガチ恋するのか?
一度も会っていないのに、人を好きになることってありませんか。
もっというと、タレントやアイドル、キャスターなどの有名人だけでなく、漫画やアニメのキャラクターに恋をすることも。
これは弱者男性のみならず、ほとんどの男性や女性にも経験があることではないでしょうか。
なぜ一度も会ったことのない画面越しの人を好きになるのかについては、心理学である程度分かっていること。
その理由について、4つお伝えします。
①脳は現実と仮想を区別できない
私達の脳は、狩猟時代からあまり進化していないという定説があります。
狩猟時代にはテレビやSNSなどのデジタルは存在せず、目に見えているもの全てが現実だったはず。
詳しくは『弱者男性の姫とは何?なぜ人は推しが結婚すると辛くなるのか』で話しているので割愛しますが、私達は今見ているもの全てが本物だと思いこむ癖があります。
そのため、画面越しの人であっても常に接しているような感覚になり、好きになることがあるんです。
②単純接触効果(ザイアンスの法則)
単純接触効果とは、1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱したもので、ある人や物と繰り返し接することで、その人や物に対して好感度が高まるという心理的現象です。
いつも見ている芸能人に親近感が湧くことがあるのは、単純接触効果が原因。
大量の情報にさらされている私生活において物事を処理する際に、より効率的に処理できるようにするための一つの手段として、好感度が高まるということがあります。
なぜ好感度が高まると効率が良くなるかというと、好きになったものには興味が湧きますでしょ?
興味が湧けば、より物事の集中できるので効率が良くなるんです。
画面越しなのにその人を好きになるのは、単純接触効果によってその人が必要な情報だと判断され、好感度が上がるからなんです。
補足:単純接触効果はマーケティングによく使われている
単純接触効果は、マーケティングによく利用されていますよね。
例えば、商品やサービスのCMを繰り返し流すことで消費者の好感度を高め、商品の購入やサービスの利用を促しています。
テレビを見ていただけなのに購買欲を掻き立てられて、いつの間にか使わないもので部屋中溢れているなんていうことも。
単純接触効果は興味を引き立てて効率を良くする一方で、それが本当に必要かどうか、目の前の人を本当に好きなのかどうかという判断を鈍らせてしまうので、注意しないといけないんです。
③理想化と偶像化
単純接触効果に続く話ですが、私達は、画面越しに何度も見ている人に対し、自分の理想や欲望を投影することがよくあります。
弱者男性の特徴②のように、観察力が低下して相手の表面的な部分しか見えなくなってしまっているからなんですよね。
その結果、自分の勝手な思い込みで相手を理想化して偶像化(崇拝)し、好意を抱くようになるんです。
④リスクのない安全な接触
テレビやインターネットの画面越しに相手を観察することは、拒絶される可能性が少なく、リスクのない安全な接触です。
実際に会う対面での会話に比べ、距離を置いた状況でコミュニケーションがとれるので、相手の気持ちを考える必要がほとんどなく、一方的に好意を持ちやすくなります。
「リスクのない安全な接触」は、ほぼストレスフリーで面倒くさくなく、自由な恋愛に感じる一方で、自分の偏った見方で相手を好きになってしまうので、実は危険とも言えますよね。
弱者男性という枠組みは良くない
これまでに散々弱者男性という言葉を使ってきましたが、本当は弱者男性という枠組みを作ること自体よくないことです。
弱者男性は、男性を差別するような言葉ですよね。
今後もおそらく、タレントやアイドルなどの恋愛報道が出た際に、弱者男性というインターネットスラング(ネット上の俗語)を目にすることでしょう。
しかし、だからといって弱者男性という言葉を使ってSNSなどで叩くのは、自分が弱者男性以下に成り下がるということでもあります。
その辺りは肝に銘じないといけませんよね。
まとめ
もう一度まとめると、弱者男性の特徴は5つあります。
- 自分に好意があると勝手に思い込む
- 観察力が低下している
- 女性を下に見てしまっている
- リアルに弱いが画面越しだと強気
- 相手に彼氏がいるとわかった途端アンチになる
弱者男性とは、元々は、経済力に乏しく恋愛経験の少ない独身男性を指していたインターネットスラングですが、最近では、アイドル的存在の女性を応援するヲタク気質な男性を指すことが多いようですね。
ただ、あまり弱者男性、弱者男性、…と言うのはいかがなものかと。
ファンだった人が急にアンチに寝返るのは捨て置けませんが、どんな人であれ、それぞれ個性を持っています。
その個性を無視して弱者男性を批判してしまうと、自分も弱者男性以下に成り下がってしまうので気をつけましょう。