自民党女性局の3泊5日の日程で行われたフランス研修について、観光旅行のような写真をSNSに投稿して炎上していますよね。
物価上昇の中給料が上がらず、どの家庭も節約しているこのご時世に、なに呑気に旅行しているのか。
そして、国民の血税を使って子どもまで連れて外遊するのは怒りしかない、という意見が多く見られます。
海外研修自体悪いことではありませんが、今回の自民党女性局フランス研修で最も気になるのが、税金は使われたのかどうなのかという点ではないでしょうか。
そこで今回は、自民党女性局フランス研修の日程や費用の総額と、そのお金は結局誰が負担したのかについてお伝えします。
週刊誌のFLASHが、自民党女性局フランス研修の日程が書かれた冊子をリークしましたね。
(その冊子に書かれていた日程は後述のとおり。)
それによると、研修時間はたったの6時間。パリに在住したのは丸2日ですが、1日3時間しか研修していません。
これはもはや、海外研修ではなくグルメや観光が目的で、ついでに少し国民教育省や国民議会へ立ち寄ったとしか考えられませんよね。
自民党女性局のフランス研修の日程
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自民党女性局のフランス研修は、7月24日〜28日の3泊5日の日程で行われました。
実際パリに丸々在住していたのは25日と26日で、その他は移動日になります。
研修の具体的な内容は明らかになっていませんが、松川るい議員らのTwitter(X)から予測すると、次のような日程ではないでしょうか。
FLASHがリークした日程をざっくりまとめると以下のとおりです。
- 1日目:羽田→パリ着(夕方)
- 2日目:リュクサンブール宮殿等で国民議会や国民教育省と対談(合計たったの3時間)
- 3日目:保育施設視察、少子化対策等の勉強会(合計たったの3時間)
- 4日目:パリ発(JAL
又はANAだと19時台) - 5日目:羽田着(夕方)
自民党女性局のフランス研修の費用は総額いくらか?
羽田〜パリの往復航空費
今回の自民党女性局のフランス研修の費用を順に算出していきます。
まず、羽田〜パリの往復にかかる航空費ですが、ビジネスクラスだと片道約50万円、往復で約100万円かかります。
TBSの自民党関係者の取材によると、国会議員がエコノミーに乗ることはあり得なく、ビジネス以上で少なくとも100万円はかかっているとのこと。
なお、ファーストクラスだと330万円以上かかります。
国会議員4人がファーストクラスなのかビジネスクラスなのかでだいぶ金額がかかってきますが、ここでは優しめに1人あたり往復100万円で計算することにします。
ホテル宿泊費
続いて、パリのホテル宿泊費です。
議員の海外視察の場合、一般的に星がついている高級ホテルに泊まることが多く、例えばパリの星5のホテルだと、1泊5万円〜25万円はするようですね。
自民党女性局の方々がどのホテルに泊ったのかは不明なのと、星5のホテルでさえピンキリの額ですが、ちょうど香川県の議員の海外視察が問題になっていたので、それを参考にすることにします。
この動画では、ロサンゼルスのホテルに宿泊で、1人あたり1泊6万6千円のようですね。
これを参考に、エバーグリーンホテル パリは一般的に2〜5万円ですので、宿泊費を優しめに見て1泊6万円3万円としましょう。
フランス研修ではホテルに3泊していますので、1人あたり9万円かかっていることになります。
外食費(ランチ)
ランチの場所が判明しました。2日目はChez Françoise、3日目はBISTRO DES CHAMPS、4日目はLes Noces de Jeannetteです。
(1日目は夕方着なのでランチなし。)
1人あたり、BISTRO DES CHAMPSは約5,000円、Chez FrançoiseとLes Noces de Jeannetteのコース料理はそれぞれ約15,000円。
合計、一人あたり約3万5千円です。
続いて食費について。モーニングはホテルについているものと考えて、ランチの外食費を算出していくことにします。
TBSの取材では、フランス研修のランチは「BISTRO DES CHAMPS」というビストロ(カフェ)で食事したそうですが、毎日そこで食べるわけではありませんよね。
さらに、他の議員さんの写真を見ると、少し格式の高そうなお店の写真も映っています。
もしかすると、星のつくレストランを貸し切っていたのかもしれません。
フランス研修は3泊5日ですが、パリ在住は丸2日だったのと4日目は夜の便なので、3日間のランチを算出することにします。
そして、1日は高級レストラン(約15,000円)、もう2日はビストロで食事(約5,000円)と考えると、1人あたり25,000円の計算です。(上記の追記参照)
外食費(ディナー)
ディナーはホテルについているものと考えていましたが、どうやら違うみたいですね。
日程を見ると、1日目は宿泊先のエバーグリーンホテルパリで取り、2日目はセーヌ河ディナークルーズ、3日目は連合国クラブ(おそらく大使館専属料理人によるディナー)で夕食会を行っていますね。(4日目は機内食)
ディナークルーズなんて、随分と豪華な食事をしていらっしゃるんですね。
ディナークルーズの価格はピンキリで、高いものだと10万円を超えるものもあるんですが、一般的には1万5千円〜5万円。
ここは優しめに見て、3日間のディナーは全て2万円で計算することにします。(それでも私達一般庶民からすると豪華なんですが…。)
すると、一人あたり6万円の計算になります。
現地移動費(観光バス)
今井絵理子議員のTwitter(X)に、観光バスで移動する写真が投稿されていますよね。
そのため、パリ在住の2日間は、観光バスで移動していたものと思われます。
そのおおよその金額を算出すると、
バス代20,000ユーロ×2日+ドライバー50ユーロ×2日+ガイド50ユーロ×2日+燃料費100ユーロ×2日
で、合計4,400ユーロ。日本円で約70万円です。
1人あたりに換算すると、約1万8千円となります。
自民党女性局フランス研修の総費用は?
これらの費用を合計すると、1人あたり約120万円。
『自民党女性局研修の目的とは?メンバーは家族同伴か』でお伝えしたとおり、研修に参加した人数は38人ですので、合計で約4,600万円となります。
ただしこれは、かなり優しめに(少なく)見積もっての金額です。
自民党女性局のフランス研修の費用は誰が負担?
国会議員30万円、他は20万円
自民党女性局のフランス研修の費用について、国会議員は30万円、地方議員など他の参加者は20万円の自費だったことがわかっています。
でも、この研修には、少なくとも1人あたり120万円はかかっているはず。
研修のため自民党費を使うことはよくあることですが、自費で足りない部分は自民党費のどの予算から賄ったのでしょうか。
足りない部分は党費から
松川るい議員のTwitter(X)のコメントには、「費用は党費と各参加者の自腹で捻出しています」と記載されています。
気になるのが、この党費。党費とは、一体何なんでしょうか。
自民党のホームページを見てみると、
一般党員:年額4,000円
家族党員:年額2,000円
特別党員:年額20,000円以上
と記載されています。
つまり、自民党内での互助会費のようなものですね。
そしてその2021年度分の合計が約10億円ですので、2023年度分についても同じくらいの額でしょう。
ただ気になるのが、10億円のうち、たった38人のために約4,000万円もそこから支払うかどうか、というところではないでしょうか。
(1人あたり120万円だとして自費の分を差し引くと、38人の残りの研修費は約3,800万円)
自民党の議員は、衆議院と参議院合わせて381人、地方議員等は3,500人弱で、全部で約4,000人います。
私達国民でさえ血税を使ったのではないかと嘆いているのに、果たして他の自民党の議員が自民党女性局のために自分たちの党費を使わせてくれるかどうか、疑問ですよね。
一部界隈では政党交付金を使ったと言っているが…
自民党女性局は、今回のフランス研修に政党交付金は使用していないと言っています。
自民党女性局のフランス研修に政党交付金が含まれていると言ったのは、野党である日本共産党ですね。
そのため、政党交付金を本当に使ったかどうかは定かではありません。
なお、政党交付金とは私達国民の税金です。
政党助成法という政治家のためだけに優しい法律があり、そこで政党が健全な政治活動をするための助成として、政党交付金が配られる事となっています。
まとめ
自民党女性局のフランス研修について、日程や費用について解説しました。
今回の海外研修には、自費と党費が使われたということですが、その党費が何なのか気になりますよね。
自民党のホームページには、会費のようなものと書かれており、今回の研修での党費がそれを指すのであれば、税金は使われていないことになります。
ただ、松川るい議員らが言っている党費が自民党費全体のことを指しているのであれば、私達国民の税金である政党交付金が含まれます。
政党交付金を使用したという情報については、言い出しっぺが野党の日本共産党ですので、証拠としては弱いかなと。
また、行政、立法、司法の三権分立とは独立して、会計検査院がおり、政党交付金がどのように使われているのか会計検査院の厳しいチェックが入るはずですので、政党交付金は使われていないことを願いたいですよね。
実際のところは、フランス研修に参加した自民党女性局にしかわからないことです。