2023年夏の甲子園で優勝を果たし、一気に注目度が高まった慶應義塾高等学校。
そんな中、「慶応と慶應義塾の違いは何?どっちが正しいの」という疑問がSNSやネットで飛び交っていますよね。
実は、学校名に「慶應」とつく高校は、国内に4校、海外に1校の合計5校あります。
そこで今回は、慶応と慶應の違いや5校の慶應高校について解説していきます。
慶応と慶應義塾の違いとは?
慶応高校と慶應義塾高校に大きな違いはなく、結論から言うとどっちも同じ高校です。
あえて違いを言うとすれば、新字体の「慶応」か旧字体の「慶應」かというところ。
そのため、慶応高校も慶應義塾高校も同じ高校を指します。
創立者である福沢諭吉が大学の母体となる私塾を設立した年号が「慶應」だったため、学校名は旧字体の「慶應」を使いますが、新聞やテレビなどの媒体では新字体の「慶応」を使うことが多いようですね。
慶応義塾は福沢諭吉が1858年に創設した私塾を母体としているため、高校を塾高、学内のことを塾内、生徒及び学生を塾生、卒業生を塾員と言うことが多い。
なお、福沢諭吉を「先生」としているため、教職員は社中(同じ組織の仲間)であり「君」(くん)と表現する。
(学生が教職員を呼ぶ時は「〇〇先生」と呼ぶが、公文書などは「〇〇君」と書く。)
慶應義塾高等部は実は5校もある
慶応高校というと、一般的には慶應義塾高等学校を指すことが多いですが、実は、慶應義塾には5つの高等部があります。
それぞれどのような違いや特徴があるのか見ていきましょう。
慶應義塾高等学校
慶応高校は、ほとんどの場合、この慶應義塾高等学校のことをいいます。
神奈川県横浜市の慶應義塾大学日吉(ひよし)キャンパス内にある高校で、慶應義塾高等学校を単に「塾高」や「慶応日吉」と呼ぶこともあるようですね。
ここでは、慶應義塾高等学校のことを「慶応高校」と呼ぶことにします。
慶応高校は、2023年の夏の甲子園では107年ぶりに優勝するなど、神奈川県にある高校野球屈指の強豪校。
(神奈川県の高校野球は、東海大相模、横浜、慶応、桐光学園、横浜隼人が強豪校として有名。)
設立は1948年で定員(生徒数)は各学年700人前後です。
慶応高校の一般入試の募集定員は生徒数の約半分の330人程ですが、偏差値が76と神奈川県内屈指の難関校ですよね。
慶應義塾高等学校の公式サイトはこちら
慶應義塾志木高等学校
続いて紹介するのが、慶應義塾志木(しき)高等学校。
慶應義塾志木高等学校は埼玉県志木市にある高校で、「慶應志木」や「志木高」と呼ぶことが多いようですね。
慶應義塾志木高等学校と慶應義塾高等学校はどちらも男子校ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
実はあまり差はないようですが、志木高は元々農業高校だったこともあり、校内に森林や農地があったりと、慶応高校と比べると自然が豊かです。
それゆえ、慶応高校よりも志木高の方が理科の専門性が高く、理科系のテストも若干難しいとか。
将来、理系を専門職として考えている場合は、慶応高校よりも志木高の塾生の方が有利になるかもしれませんね。
気になる野球部の強さは、可もなく不可もなしといった感じで普通のようです。
設立は1944年と慶応高校よりもやや古く、生徒数は各学年240人前後と慶応高校の半分以下の人数です。
慶應義塾志木高等学校の公式サイトはこちら
慶應義塾女子高等学校
続いては、慶應義塾系列校唯一の女子校である慶應義塾女子高等学校です。
慶應義塾大学三田キャンパスから至近距離の東京都港区内にあり、略して「慶應女子」や「慶女」と呼ぶことが多いです。
慶応高校の甲子園の応援に慶應義塾女子高等学校のバトン部がチアリーダーとして参加するなど、こちらも話題となりましたよね。
設立は1950年で、偏差値は塾内最高の77!
塾内で最も偏差値が高い理由は、1学年の定員(生徒数)が190人前後と他の慶應高等部よりも人数が少ないからでしょう。
慶應義塾女子高等学校の公式サイトはこちら
慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部
国内の慶應義塾高等部唯一の男女共学校であり、中高一貫教育校である慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部は、神奈川県藤沢市の慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス内にあります。
中高一貫ではありますが、初等部(慶應義塾横浜初等部)や小学校(慶應義塾幼稚舎)からの進学もあり、高等部卒業者のほとんどは慶應義塾大学へ進学するため、事実上の小中高大一貫教育校ですね。
そのため、他の慶應義塾高等部と比べて生粋の塾生が集まっていると言っても過言ではないでしょう。
慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部の公式サイトはこちら
慶應義塾ニューヨーク学院
慶應義塾はニューヨークにも高校があるんですよね。
ニューヨーク校(NY校)の入試は、書類選考や論文、面接等が選考基準のため、偏差値は特に設けられていません。
そのため、偏差値が50くらいでも入学できることがあるようです。
その代わり、卒業するのが苦難とのこと。
入学はそこそこ楽だけど卒業がめちゃくちゃ大変という、アメリカ特有の制度ですね。
ニューヨーク校を卒業した生徒は、慶応高校や志木高、慶女などを卒業した生徒よりも頭が良くなっているということもあるようですよ。
慶應義塾ニューヨーク学院の公式サイトはこちら
慶應義塾は大学まで一貫教育校
約9割の塾生は慶大へ進学する
お伝えしてきた5校の慶應義塾高等部は、いずれも慶應義塾大学(慶大)へエスカレーター式で進学できます。
大学入試を受験する必要がないんですよね。(他の大学を受験する生徒もいます。)
ただし、高校の授業は専門的なものもあり、進級試験や卒業試験はあるので、そこで単位を落として留年ということも。
特に、ニューヨーク校の卒業試験はかなり厳しいと噂されています。
慶大は甲子園の応援を指導している
2023年夏の甲子園では、慶應の応援がすごいと話題となりましたし、Twitter(X)などのSNSのトレンドにもランクインしましたよね。
それもそのはず、慶応高校の応援には慶大の指導が入っているので、他校を圧倒しているんです。
詳しくは『男子校の慶應義塾高校にチアがいるのはなぜ?応援がすごい理由』にまとめていますのでそちらをご覧いただきたいんですが、注目の的となった慶女のバトン部も慶大の指導部から特訓を受けているみたいですね。
まとめ
慶応高校と慶應義塾高校の違いについてお伝えしました。
2つの大きな違いは、新字体か旧字体かの違いで高校自体はどっちも同じ学校を指します。
また、慶應義塾の高等部は5校ありましたよね。
国内の2校が男子校、1校は女子校、1校は男女共学、そして最後の1校はニューヨークにある男女共学です。
日本の慶應義塾高等部はどれも偏差値が70後半と高く、ニューヨーク校は偏差値を設けていませんが、最も卒業が難しいのはニューヨーク校のようですね。
ちなみに、どの塾高も高大一貫教育のため、卒業できた塾生は慶大へ進学することができます。