チキンライスの上にオムレツを乗せ、そのオムレツを切ると中からトロトロの卵があふれ出てくるふわとろオムライス。
このオムライスは、YouTubeやInstagramなど多くのSNSで投稿されていて、特にオム兄の愛称で親しまれているオムライス兄さんもよく作っていますよね。
そんなオム兄も好んで作るふわとろオムライスには、実はちゃんとした名前があることをご存知でしょうか。
ふわとろオムライスでも、ふわふわオムライスでも、ふわふわとろとろオムライスでもないんです。
そこで今回は、YouTuberオム兄がよく作るオムライスの名前やそのオムライスを最初に作った元祖のお店はどこなのか、お話していきます。
オム兄が作るオムライスの名前は何?
名前の由来は映画名
オム兄もよく作っている「チキンライス+オムレツ」のふわとろオムライスの名前は、タンポポオムライスです。
なぜそのような名前がつけられたかというと、映画「タンポポ」の中にそのオムライスが出てきたからなんですよね。
タンポポは、1985年11月23日に公開された伊丹十三監督の作品で、ラーメンと西部劇をかけ合わせたコメディ映画。
女店主タンポポが営む売れないラーメン店を、カウボーイハットを被ったタンクローリーの運転手とその相棒が立て直すというストーリーです。
このオムライスを最初に作った老舗洋食屋では、監督の名前を取って「タンポポオムライス 伊丹十三風」とも呼んでいるみたいですね。
様々な料理の一つとして登場したオムライス
その映画には、傾いたラーメン店を立て直すため、ラーメンだけでなく様々な料理が登場します。
例えば、スパゲティや北京ダック、すっぽん料理、そしてフランス料理など。
その料理の一つとして、チキンライス+オムレツのふわとろオムライス(=タンポポオムライス 伊丹十三風)も登場しました。
この映画の料理の主役はあくまでもラーメンですが、脇役として登場した一風変わったオムライスが注目を浴びたようですね。
元祖はキチキチではなかった
ザ・洋食屋キチキチの動画が有名だが…
こちらの動画を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
京都府にあるタンポポオムライスで有名な「ザ・洋食屋キチキチ」が、そのオムライスを作っている動画です。
オム兄も、この動画を見て自分も作ってみようと思い、「100日後に完璧なふわふわオムライスを作るお兄さん」という動画を投稿して有名になりましたよね。
そういう事もあって、タンポポオムライスの元祖はザ・洋食屋キチキチだと思っている人が多いのではないでしょうか。
でも実は、元祖はザ・洋食屋キチキチではなく東京都中央区にあるお店なんです。
元祖は中央区日本橋にあるお店
タンポポオムライスの元祖は、東京都中央区日本橋にある「たいめいけん」。
ドラゴンボールに出てきそうな名前のこのお店は、創業1931年と老舗の洋食店です。
タンポポオムライスはもちろんのこと、ビーフシチューやカレーライス、スパゲティなど様々な洋食のメニューが盛りだくさん。
現在は、3代目オーナーシェフが経営しているようですね。
映画タンポポの撮影場所は日本橋ではない
タンポポオムライスの元祖はたいめいけんですが、撮影は別の店で行われました。
そのお店とは、当時、東京都港区芝浦にあった焼肉店です。
映画タンポポは西部劇で、よく喧嘩するシーンもあります。
そのシーンを撮るために適していたのが、芝浦の焼肉店だったんです。
オムレツとライスに分けたのはなぜ?
一般的なオムレツといえば、薄く広げた卵焼きにチキンライスを包んだ料理ですよね。
映画タンポポでは、チキンライスの上にオムレツを乗せるというタンポポオムライスが登場しましたが、なぜわざわざオムレツとライスを別々に分けたんでしょうか。
これには、伊丹十三監督のこだわりがあったみたいです。
監督曰く、「オムライスは卵(オム)+ご飯(ライス)なのに、卵とご飯を一緒にする(包む)のはおかしくないか。」とのこと。
この発案を元に、たいめいけんがタンポポオムライスを完成させたんです。
オムライスの発祥の国は、どこかご存知ですか。
オムライスは洋食なので欧州の方だと思っている人は多いみたいですが、実は日本なんです。
そして、オムライスの元祖は2つあると言われています。
一つは、東京の銀座にある煉瓦亭(れんがてい)。
もう一つは、大阪の難波にあったパンヤの食堂(現:北極星)です。
煉瓦亭では、1900年に、オムライスというよりもチャーハンに近い形でまかないとして作られたようですね。
(溶き卵をご飯に混ぜて押し固めながら焼くようなイメージ。)
一方のパンヤの食堂では、1925年に、胃の弱い常連客のために薄く焼いた卵にケチャップライスを包んで提供し、それをオムライスと名付けたそうです。
主流のオムライスは、パンヤの食堂が発案したもののようですね。
オム兄の「やっちゃう」の元ネタはポプ兄
たくさんのタンポポオムライスを作ってきたオム兄の口癖といえば、「やっちゃう」ですよね。
かん高い声で他の料理を解説(?)しながら、「やっちゃう」の掛け声とともにタンポポオムライスを作るオム兄ですが、実は、「やっちゃう」は元々別のYouTuberが使っていたことをご存知でしょうか。
その名もただのコック帽。(愛称:ポプ兄)
詳しくは、『オムライス兄さん「やっちゃう」の元ネタは何?本家はコック帽』に記載していますが、先にオム兄が有名になってしまったため、元祖のポプ兄は「やっちゃう」を言いづらくなってしまったみたいですね。
何となく、たいめいけん(タンポポオムライスの元祖)とザ・洋食屋キチキチ(タンポポオムライスで有名になったお店)の関係に似ている気がしなくもないですが…。
まとめ
オム兄が作るふわとろオムライスには名前があり、そのオムライスを作った元祖のお店についてお伝えしました。
YouTube動画には、オム兄はもちろんのこと、ザ・洋食屋キチキチの動画が数多く見られているため、ほとんどの人がタンポポオムライスの元祖はザ・洋食屋キチキチだと思っているのではないでしょうか。
でも実は、タンポポオムライスの元祖は日本橋にあるたいめいけんだったんです。
映画タンポポの名前にちなんで作られたタンポポオムライスは、伊丹十三監督が発案し、たいめいけんが作ったということでしたよね。
元々、オムライスの発祥の国は日本なんですが、タンポポオムライスの発案者も日本人というのは驚きですよね。